こんばんは。
本日は、先負の日ではありません!
そして、仏教の話でもありません!
(すみません)
では何の日かと言いますと、
サン=テグジュペリさんのお誕生日です。
なぜ、サン=テグジュペリさんのお誕生日をお祝いするかと言いますと、このブログ名「風と緑とあじさいと。」は、「風と砂と星々と。」から来ているからです。
詳しい事は、一番最初の記事を見てくださいね。
また、野僧は好きな人のお誕生日を勝手にお祝いするのが好きです。
手帳にはサン=テグジュペリさんやクロード・モネさん、ルノワールさん、デヴィッドボウイさん、などなど、好きな人のお誕生日が結構書いてあります。
好きな人のお誕生日を書いておくと、何でもない1日でも誰かにとっては特別な日なんだなとしみじみ感じて、記念日が増えて、楽しいです。
このお誕生日シリーズも時々挟んでいこうと思いますのでよろしくお願いします。
ということで、お誕生日シリーズの開幕として、本日はサン=テグジュペリさんについてご紹介したいと思います。
サン=テグジュペリさん、本名アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリさんは、1900年6月29日の日曜日、フランスのリヨンという所で名門貴族の子供として生まれました。
2歳年上の姉、1歳年上の姉、2歳年下の弟、4歳年下の妹という、5人兄弟(姉妹)です!
中学生の時のサンテグジュペリさんは、素行不良で夢見がちな、詩ばかり書いている生徒でした。
学校でもぼーっとしていたり、空を見上げたり、授業についていけなかったり、いつも先生に怒られていた、そうなんです。
しかし、そんな時にいつでも味方になってくれたのが、彼のお母さんでした。
後年には「私の人生で最も美しい時は、彼女のそばで生きた時かもしれない。」
という言葉を残しているそうです…!!
学校の近くには飛行場があって、彼は自転車に乗って毎日飛行場へ通っておりました。
しかし、1914年、戦争が始まります。第一次世界大戦ですね…!
サンテグジュペリさん一家はスイスへ移住し、戦禍を逃れますが、
1917年、突然の悲劇が起こります。
弟のフランソワが亡くなり、その10年後には姉が結核で亡くなったのです。
彼は、飛行士になる夢を抱きつつも、母のため、家族のために海軍入隊の道を選びます。
しかし、海軍兵学校の受験は二回とも失敗してしまいます。
その後1921年、徴兵通知を受け取り、ストラスブール近郊、ノイホフの第二飛行大隊に配属されました。
その時、軍と敷地を共有していた民間航空会社で操縦技術を習得します。
さて、こうして、彼の長い長いパイロット人生が始まりました。
パイロット人生の中で起こった出来事に関しては、ぜひ本の中で読んでいただいた方がいいと思うので、ここでは簡単なご紹介と、野僧が個人的に印象に残ったこと、を書いていきたいと思います。
まず印象的だったのは、ノイホフの第二飛行大隊の飛行訓練時のお話です。
ある日、彼は操縦かん?を握り、兵舎の上空でアクロバット宙返りをやってみせました。
これは即刻処罰を受け、八日間の謹慎をくらってしまったそうです。
こういう方、いらっしゃいますよね(笑)
一緒にいてとても楽しいタイプです。でも、段々周りから相手にされなくなって、
しゅん…みたいな感じなのでしょうか。
なにはともあれ、野僧はこんな感じで自分の好きなことを目一杯楽しそうにやっている人を、木陰からこっそり見るのが好きなタイプです。(笑)
よっぽど飛行機に乗れたのが嬉しかったのでしょうね…!!
寛大な軍上層部の配慮で、その後も飛行訓練は続けさせてくれたそうです。
良かったですね!
また、プライベートも結構破天荒な感じで、恋愛もたくさんしていて、婚約を解消されたり、奥さんともめたり、愛人さんがいたり、しかもその愛人さんに飛行機を買ってもらった?なんて一説もあったりして、驚きです。
プライベートも、星の王子さまみたいな人でいてほしかった……!というのがファン心理な気もしますが、神様みたいな人だと思っていたけど、これもこれで、人間らしい、ということで、ここではさらっと受け入れていきたいと思います。
また、パイロットと聞くととてもかっこいいイメージがありますが、実は何度も大怪我されているということにも驚きました。
簡単に、ご紹介させていただきますと、
1923年、機械の故障が原因で大事故にあい、重傷を負います。
意識不明の状態で救出され、頭蓋骨の随所を骨折していました。
(しかもこの飛行機は搭乗許可をもらわずに乗っていたのでお咎めで二週間任務停止だったそうです…。)
1935年12月29日、ベンガジを出発してから4時間後、彼の乗っていた飛行機(コードロン・シムーン機)が時速260キロでリビア砂漠に激突。砂漠に1人取り残されます。
この時の経験をもとに、『星の王子さま』を書いたと言われています!
コードロン・シムーン機というのは、フランスのコードロン社で製造された旅客輸送や郵便輸送に使われた軽飛行機なんだそうです。本には、「シムーンはサハラ砂漠に吹く熱風のこと」とありましたが、あれ、ジブリじゃないの?と思いました。
フランス語表記か、イタリア語表記か、の違いだそうです。
1938年、ニューヨーク―フエゴ島間の飛行に挑戦しますが、途中グアテマラで事故。
重傷を負い、五日間意識不明の世界を彷徨いました。
以上、ほんの一部だけご紹介しましたが、凄いですよね…!
こんなに大怪我して、何度も死に目にあっているのに、それでも何とかして空を飛びたい!飛行機に乗りたい!というこの情熱たるや…
言葉だけでは表現しきれません。
そして、このように様々な形で飛びながら、当時のパイロット経験をもとにたくさんの小説を書いていきました。1929年の処女作『南方郵便機』に始まり、『夜間飛行』、『人間の土地』『戦う操縦士』『星の王子さま』『城砦』(こちらは未完)などなど数々の素敵な作品を発表しています。
こうして有名パイロットとなったサンテグジュペリさんですが、第二次世界大戦時、偵察機の搭乗員として出撃を重ね、1944年コルシカ島の基地を発信したまま帰還せず、帰らぬ人となりました…。
ちなみに、最後に彼が乗っていた飛行機は、ライトニングP-38F-5B223機というものだそうです。
この飛行機、P-38と書かれることが多いのですが、野僧は中学校の学籍番号が38番だったので何だか嬉しいです。
また、サンテグジュペリさんは作品の中で、「大切なものは目に見えないんだよ」や、「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」といった素敵な言葉をたくさん残していらっしゃいます。
なかでも野僧は、
不思議なことがありすぎると、それに逆らおうなんて気がしないものだ
という言葉が一番好きです。
サンテグジュペリさん、
飛行機で空を飛んでいる時、
海の上を飛んでいる時、
不時着して夜の砂漠で星空を見ている時、
きっと不思議なことがたくさんあったんでしょうね…
どんなことがあったんですかね…
そして、名言、という感じではないと思いますが、作品を読んでいて個人的に良いな、と思ったのは
砂というやつは嘘つきだ
という言葉です。
何だか、この短い一文に色々なサンテグジュペリさんらしさが込められているような気がして、いいな、お洒落だなと思いました。
そして、サン=テグジュペリさんのお話をする上で、決して避けては通れないお話は、サン=テグジュペリさんを撃墜したのが、彼のファンだった、というお話ではないでしょうか。
このお話に関してもここで書こうと思ったのですが、あまりにも長くなりそうなので、もう少し色々調べて、また別の記念日に記事にしたいなと思います…!
ということで、長文、乱文、駄文となってしまいましたが、本日はサン=テグジュペリさんについてのお話でした。
そして、いつもながら本日も仏教と全く関係ないお話を書いてしまいました。
ただの野僧の個人ブログという感じで、妙法生寺の非公式ブログを名乗ることすら申し訳なくなってしまいました。
そこでちょっと考えたのですが、ホームページにあるブログのボタンを、白色にしてみようかなと思っております。
一見、SNSのところにはインスタグラムしかないように見えますが、カーソルをあてるときちんとこちらにも飛べるという感じです。
初めて見た人は、「あれ、ここ何も書いてないけどなんか飛べそう…」
という所から、好奇心でポチっと押してくださった方は突然ブログのページに飛べるという、
何か木の下をのぞいていたら突然落ちてしまって、そしたら偶然トトロに出会えた!
みたいな、不思議な感動が生まれるのではないかと思います。
一見何もないように見えるところにも、実は何かが隠れている、ということで、
それも何か他界っぽいかな?と思いました。
でも、真っ白なのはさすがによろしくないかな…とも思うので、葉っぱが一枚落ちている、なんてことになるかもしれません。
ということで、ホームページの方も追々変えていくかもしれません、というご連絡でした。
では、本日のお話はここまでです。
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。
合掌。
編集後記:
今月は(勝手に)星の王子さま月間ということで、夜の時間に更新しておりました。次回からはまた、午後三時くらいに更新できるよう努めて参りたいと思います。次回の更新も先負の日ではないのですが、どうぞよろしくお願い致します。
参考文献:ジャック・プラデル/リュック・ヴァンレル著 神尾賢二訳 2009年緑風出版
邦題『海に消えた星の王子さま』
仏語タイトル”Saint-Exupery, L’ultime Secret Enquete sur une disparition”
仏語の直訳はサンテグジュペリ 最後の秘密―行方不明の真相― という感じだそうです!浪漫がたくさんつまった素敵な本でした。