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風と緑とあじさいと。―Vayu, Vana, Ajisai ca―

あじさい寺の非公式ブログです。

カピカピ

 

こんにちは。

 

前回のお誕生日企画より早2週間が経ちましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

野僧は、待ちに待ったお誕生日が終わってしまって、

燃え尽き症候群のような、

干からびて、カピカピになった2週間を過ごしてしまいました。

 

枯れた茶色い紫陽花に同情して、

「君はこれからどうするつもりなの?」

と聞いてみても

 

「そんなの知らないよ」なんてひねくれた冷たいお返事をいただいたりして

 

途方に暮れておりました。

 

なんですが、ふと

「そうだ、川柳を書こう。」

と思いまして、突然ですが、本日は俳句・川柳のお話です!

 

というのも、以前とても素敵な俳句に出会いまして、それをご紹介したくてうずうずしていた時期があったのです。

 

いつ書こうかなーとタイミングを探していたのですが、(実は前にちらっと載せて一回消したこともあります。偶然ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。)

 

お正月は俳句・川柳の季節っぽいということで、

お正月気分がまだ少し残っていそうな、本日ご紹介しようと思いました。

 

さて、それではまず、一句目。

 

ぽぽぽん。(竹が落ちる音)

 

「朝茶飲む 僧静かなり 菊の花」

 

これは、松尾芭蕉さんの句です。

 

現代語訳は

「朝、お茶を飲む。僧の心は静かで、庭には(綺麗な)菊の花が咲いていることよ。」

という感じでしょうか。

 

この、「僧静かなり」というのは、物理的に静かなのもあると思いますが、朝の修行が終わった後ということで、心が静かなのだとどこかの解説で聞きました。

 

素敵ですね…

 

何となく、お茶は緑茶だと思いますが、緑茶は熱湯ではなく少し冷ましたお湯で入れるのが良いと聞いています。

 

そのため、このお茶も少し冷ましたお湯で入れたので、湯気なども出ていなくて

風が吹いて湯呑の中でさざ波が生まれることはあれど、

 

お茶でさえも静かなのではないかと

 

もう、静けさしかなく、それはそれは穏やかな修行後の一服なのではないかと

 

思いました。

 

そして、お茶を飲んでゆっくりするだけではなくて、菊の花に思いを馳せているのも素敵です。

 

菊の花は、お葬式などでよく飾られているのを目にしますが、邪気をはらうものと考えられているそうです。

花言葉としては、「高貴」、「高潔」、「高尚」といったものがあるそうですね。

 

修行後の穏やかな時間に、庭に凛と咲いている菊の花を見て

「綺麗だなぁ」と思っているお坊さんが、目に浮かびます。

 

でも、お坊さんは「綺麗だなぁ」だけではなくて、「いいなぁ」とも思っているのではないでしょうか。

 

人間はやっぱり汚れた存在なのであって、「高尚」とか「高貴」とか

目指すことはできるけれど、それらになり切れない部分もあると思います。

(それが良いか悪いかは別として)

 

自分は愚かで、決して菊の花のようにはなれないこともわかっているからこそ、

遠くから羨望の目を向けているのではないかと、思いました。

 

野僧は、いつも朝は眠たいタイプで、朝のお勤めがある時は、とてもではありませんが、穏やかではありません。

 

この句のお坊さんを見習って、静かに、穏やかに、一日のスタートを切りたいものです。

 

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イメージ絵。(裏紙に描いたのがよくなかったですね…。)

 

 

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お坊さんアップ。穏やかです。(ちょっときれいになりました。)

 

さて、次は写真に合わせて川柳を作りましょうというものです。

以前撮った写真に合わせて、作りました。

 

ぽん。

 

「冬の朝 青空仰ぎ 聞くみなと」

  

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 年明け、三箇日が終わりましてお客様の足も途絶え、少しだけのんびりできる時間がありました。

天気が良かったので高台に登って遠くの海を見ながら、「みなと」という曲を聞いて

ぼーっと考え事をしておりました。

遠くの方で白い鳥が一羽、陽の光に照らされながら海へと飛んでいく様子が

それはそれは綺麗でしたね…

 

あの鳥はきっと海の向こうに手紙を届けに行ったのではないでしょうか。

 

 

ぽん。(竹の音いらないような気がしてきました笑)

 

「熱風に 吹かれて思う 生きねば。と」

  

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熱風

 

 最近は色々なことがあって、

熱風が吹いてるなぁ

と、しみじみ感じます。

 

遠くの海を見ながらゆっくり考え事をする時間も大事にしながら

目の前のできることをコツコツ

やっていこうと

葉っぱに誓いました。

 

 

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生きねば。

 

 

 

 

ということで、本日は川柳のお話でした。

 

何だか、最初の方はただの妄想で後半は少し重めというとてもアンバランスな貝多羅葉になってしまって、風から苦情がきそうです。

 

でも、年初めの決意表明みたいな感じで、

前回はお誕生日でしたからまた改めてということで、

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

それに、川柳は面白くて楽しいですね!

 

こう、日常の中にある一瞬の景色を切り取る、という行為そのものが

素敵だなと思います。

 

如何にどうでもいいこと、くだらないことを川柳の中に閉じ込めるか

というのを考えるのも面白そうです。

機会があれば、また作りたいなと思いました。

 

年末の振り返りコーナーは川柳でやっても良いのでは?とも思います。

 

それでは、長くなりましたが本日のお話はここまでです。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

合掌。

 

ーーーーー

追記です。

 

2~3週間ほど葉っぱの裏に隠れて隠居する木の葉隠れ期間に入らせていただきます。

 

大変申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。