風と緑とあじさいと。―Vayu, Vana, Ajisai ca―

あじさい寺の非公式ブログです。

お麩

 

こんにちは。

 

こちら、水槽の上にお麩……

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お麩



ではなく、モリアオガエルの卵でございます。

 

ということで本日は、

生き物(両生類とか昆虫とか)特集です。

 

虫は苦手…という方がもしいらっしゃいましたら、申し訳ございません。

 

 

まず一つ目は、

モリアオガエルです。

 

こちら、

 

こんな感じで、泡みたいなカエルの卵を産みます。

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シュワシュワ



ちょっとさわってみると、

シュワシュワして、指が包み込まれる…

というわけではなく、

表面はさらっとしていて、

指に泡がつくこともありません。

 

触った感じとしては、

それこそ本当にお麩みたいな、感じでした。

 

この卵から、オタマジャクシが生まれてきます。

 

でも、よく見るカエルの卵というのは、

水の中にありますよね。

 

本来、オジャマタクシは水の中で生きるものだと思いますので、

最初から水の中に卵がある方が、安心です。

 

ですが、モリアオガエルの巣はちょっと不思議で、

あえて植物に卵を植え付けつつ、オジャマタクシがそこから水に落ちていくスタイルなのだそうです。

 

つまり、下に水があるところに植え付けないと、

産まれた時にオジャマタクシが地面に落ちてしまって、生きていけません。

 

しかし時々、下が地面のところに、卵がある時もありまして、

 

こういう時、卵を水のあるところに移動させるのが、

 

梅雨の時期の、野僧のお仕事のひとつでございます。

 

これ、紫陽花の葉っぱの陰についていたりするので、

ちょっと無理があるかもしれませんが、何となく、胞子っぽいところもありますよね。

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隠れ卵



カエルの卵を移動しがてら、

ひとり風の谷のナウシカごっこをすることができます。

 

「1つでも残すと大変だからね」という気持ちで、行っています。

 

でも、1日に5個くらい移動させる時は

さすがにちょっと

 

「あの、そろそろコミュニティ内で情報共有してもらっていいですかね?」

 

と思ってしまいますね。(笑)

 

この、卵からオジャマタクシが生まれるところ、空中から水中に落ちていくところ、を

見よう見ようと思っていつも狙っているのですが、

その瞬間に立ち会えたことは、まだありません。!

 

ポチャポチャポチャッ

という音だけは、聞いたことがあります。

 

振り返ったら、全てが終わっていて、水面だけが揺れていたという、

それが本当に誕生の瞬間だったのかさえも、怪しく、

 

そこに本当に卵があったのかということでさえ、疑わしいという

 

不思議な体験ですね。

 

こちらは、老後の楽しみにしたいと思います。

 

また、今年はたまたま、オジャマタクシからカエルになりかけている子にも出会いました。

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この尻尾にある細胞が、「アポトーシス」かぁ………

 

と思うと、なんだか感慨深いですね………

 

大人になるために、自らいなくなってしまうということで、

君のことは、いつまでも忘れないよ

と、彼 ↓ が囁いておりました。

 

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モリアオガエル?(違うかもしれません…)



さて、次は、ヒメハルゼミです。

 

このあじさい寺近辺で有名な生き物は何ですか?と聞かれたら、

モリアオガエルと、ヒメハルゼミ、ではないでしょうか。

 

房総の森に住む二大巨頭みたいな、イメージを持っております。

 

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ヒメハルゼミ(ちょこっとお絵描き)

 

ヒメハルゼミは、とっっても小さなセミです。

 

一匹目が

ミーン、ミーン、

と鳴き始めると

 

周りにいたセミも一斉に

ミーン、ミーン、ミーン、ミーン、

と鳴き始めるという、

 

面白いセミです。

 

一匹の鳴き声だけを聞くと、何の蝉か分かりませんが、大合唱が始まるとすぐに、

ああヒメハルゼミだったのね……と、思う

というのが、房総特有の夏の風物詩なのではないでしょうか。

 

これは、

一番最初にいく勇気はないけれど、誰かがアクションを起こしたら、すぐそれに便乗する

という鳴き方…なのか、

 

本当は鳴きたいけれど、

先輩が鳴いてからじゃないと鳴けないみたいな、

上下関係がめちゃくちゃ厳しい集団なのか、

 

みんなそれぞれ周りの様子を窺っていて

誰がいく?誰がいく?

みたいな心理戦が繰り広げられているのか、

 

とても気になります。

 

ちょっと寝ようと思っていたのに、大合唱が始まってしまって

あー始まっちゃったよ、ケッ、 ミーン……

という、いやいや鳴いてる子もいるかもしれません。

 

また、これはちょっと昔の話ですが、

 

前に、セミが木にとまって鳴いていたので

おー、鳴いてるー

と思いながら見ていたら、

 

ミーン、ミーン、ギュッ

 

となって、セミが木から落ちていったところを

目撃したことがあります。

 

短い一生の、終わり方を初めて見ました。

 

寂しい、切ない、夏の思い出ですね。

 

でも、ヒメハルゼミは普段高い木の小枝にとまっているそうなので、

こちらはまた別のセミだったのかもしれません。

 

ヒメハルゼミちゃんは人前で滅多に姿を見せない、

幻のセミなのでしょうか。

 

ところで、ヒメハルゼミという名前はとても可愛いというか、

漢字も姫春蝉というお姫様な感じの名前です。

 

そのため、最近はヒメハルゼミのパートナーの名前を考えることにはまっています。

 

シンプルなものだと

フユヒコゼミ(冬彦蝉)

でしょうか。

 

他にも、

ムギアキゼミ(麦秋蝉)

ナツギクゼミ(夏菊蝉)

とかもお似合いだなと思いました。

 

あくまでも四角関係で、もしいるならちょっと会ってみたい名前、ということで考えてみました。

 

個人的には、シンプルなフユヒコゼミ(冬彦蝉)推しですが、

 

まあ、ヒメハルゼミちゃんはかなりの同調圧力の中で窮屈な生活をしているのかもしれないので、

 

新しい世界に連れて行ってくれるパートナーの出現を待ち侘びているかもしれないですからね、

 

応援しております。

 

 

ということで、本日は生き物についてのお話でした。

 

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。

 

合掌。