こんにちは。
本日は、お盆についてのお話です。
仏教では、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」とよばれる行事となっています。
お盆の期間は、8月13日から8月16日の4日間とされていて、その期間だけ、
亡くなった人やご先祖様があの世から帰ってくると言われています。
もともと、亡くなった人やご先祖様は、山の上に住んでいると考えられていました。
そして、その方たちがこのお盆の時期になると、山から流れている川にのって下りてくるとされていました。
川は、あの世とこの世を結ぶものなんですね。
なるほど…
このときに、亡くなった人たちをのせて運んできてくれるのが、精霊馬と精霊牛です。
馬は足が速いですよね。
そのため、ご先祖様に速く来てほしいという願いを込めて、精霊馬が作られます。
反対に、牛は足が遅いです。
そのため、帰る時はゆっくり帰ってくださいね…という願いをこめて、精霊牛が作られます。
お寺でも毎年精霊馬と精霊牛を作って、精霊棚に飾っております。
しかし、野僧は最近、スタジオジブリ作品のキャラクターでできた、精霊牛に出会いました。
それがとっても素敵だったので、さっそく張り切って作ってみました。
それがこちらです。
じゃじゃん!
カオナシならぬ、カオナスです。
フフフフフ
30分くらいで出来上がりました。
こちら、とってもお気に入りで、色々なところで写真を撮りました。
時間が経つにつれて、お面の色もだんだん色褪せていくのが、なんだか切ないですね。
せっかくなので、お寺のロボット兵くんとのコラボ写真も撮ればよかったなと、今更ながら思っています。
しかし、悲しいことに、出会いに別れはつきもので、このカオナスくんとは川瀬餓鬼でおさらばしました…
施餓鬼とは、「餓鬼に施す」、と書きます。
これは、「偶然出会ったカエル君(六道のお話です)」の回でもお伝えしました、餓鬼道と関係しております。
餓鬼道の住人は、飢えと乾きに苦しんでいるとありましたが、施餓鬼は、彼らに飲み物や食べ物を施し、仏様に供養することによって、餓鬼を救済することを願うという仏教行事です。
なかでも川瀬餓鬼は、川に食べ物や飲み物を流して、供養することを言います。
川瀬餓鬼の場合は、餓鬼道の住人に対して、というよりも亡くなった人に対して、飲み物や食べ物をさしあげるという願いの方が強いと思います。
ということで、お寺でもお盆で作った精霊馬や精霊牛は、川瀬餓鬼でおさらばしているのです。
それにしても、カオナスくんとの別れは今でも悲しいです。
野僧のしたことが、実は川に流すときに浅瀬に流してしまって、カオナスくんはたぶんきちんと流れていないのではないかと思います。
誰かが見つけてくれる、かもしれませんが、「あれっ、こんなところにナスが…」と思って手に取った人は、取ったナスをくるっとひっくり返すととてもびっくりされるでしょうね…
ということで、本日はお盆のお話でした。
勿論、川瀬餓鬼といっても、瓶やビニールなど生き物が食べられないものを川に流してはいけません。
地球に優しいものを流すように、気をつけたいと思います。
しかし、亡くなった人やご先祖様が帰ってくる、また会うことができる、という決まりを作った古来の日本人もまた、寂しかったのではないでしょうか。
亡くなった人のことを思い出す機会を持つというのは、とても大事なことだと思います。
また来年、お会いしたいですね。
では、本日のお盆のお話はここまでです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
合掌。